世界3大レースと呼ばれているのが
『F1モナコGP』、アメリカの『Indy 500』、そして『ルマン24時間』
そのルマン24時間レースで1999年に準優勝したTS020の3号車。

この作品は前にも紹介したけど、
昨年9月、アムラックス東京での「墨のF1イラスト展」で
実車とともに展示するために描いた作品。
片山右京、土屋圭市、鈴木利男の日本人トリオでの表彰台という
記念すべきマシンだ。
しかも、終盤怒濤の追い上げでトップに追いつくぞ、というところで
まさかのタイヤバースト!
右京の奇跡的なコントロールでクラッシュは免れたものの
惜しくも準優勝、テレビの前で悔し泣きしたよなぁ〜。
さて、昨年9月、アムラックス東京に飾られていたこの作品を
元片山企画で働いていたというある方が右京氏本人に写メール。
右京氏から「思い入れあるクルマをかっこ良く描いてくれてありがとう」
というメッセージをいただいた。
9月末、お台場でのイベント会場で挨拶だけの短い時間だったけど
右京氏と初対面。
この作品のプリントを後日贈ることを約束した。
とりあえず日本GP後、スケジュールを調整していただき
お会いして渡す、ということになったのだが、
こちらが10月知恩院、11月鈴鹿とイラスト展が続き、
ふと気がづけば12月になっていた。
アムラックスでのラジオ公開収録の時のパーソナリティ、マッスル氏が、
実は片山企画でも仕事をしていて右京氏とは昵懇の間柄。
というわけで、マッスル氏が右京氏と会える段取りをしてくださったのだが、
12月に入ると右京氏はパリダカの準備で激多忙。
会えるのは年明けて2月初旬、ということになっていた。
ワタクシはF1ブームの80年代末からF1をはじめとする
モータースポーツのファンとなり
セナが亡くなった94年の途中からF1雑誌のイラストの仕事を
させていただくようになった。
とくに、90年代末から複数のモータースポーツ誌で
仕事をさせていただくようになったので、
全くのファンだった時と、モータースポーツに仕事として
関わるようになってからとは
ドライバーに対する見方というか自分にとっての存在がちょっと違ってきた。
つまり、全くのファンだった時、僕にとってF1ドライバーは
純粋に憧れの対象であり、アイドルであり、スーパースターだったのだ。
というわけで、2月某日、僕にとってのスーパースターの1人
片山右京に会うことができた。
町田の片山企画オフィスまで行ってきましたよ。
通された応接間には、トロフィー、写真、自転車が飾られていた。

1991年、全日本F3000シリーズチャンピオンのカップ。
キャビンカラーでチームメイト日本一速い男星野一義に勝ってチャンピオン。
翌年ラルースチームからF1デビュー。

95年ポルトガルGP、スタート直後にバドエルのタイヤと接触し、
右京のティレルは宙を舞い、きりもみ回転でモノコックを残し大破。
これはその時のパーツだそうだ。
ブレーキのカーボンローターが割れてるよ〜〜。
センターロックのホイールとローターがもぎ取れてる生々しい状態。
マッスル氏と雑談していると颯爽と右京氏登場。
ワイシャツ姿にネクタイを締めながら現れた。
「このあと接待があってね、すっかりビジネスマン(笑)」
「絵をいただいて、わざわざ遠くまで来ていただいて申し訳ない。
本来ならこっちからお礼しなきゃいけないのに」
創業明治30年、四ッ谷坂本屋のカステラを手土産に持参したら
「いいんですか〜、僕、カステラ好きなんだよね〜」
と子供のように相好を崩す右京氏。
約1時間もお話させていただいた。
というか、いろいろ興味深いお話を聞かせていただいた。
思っていた以上に早口でしゃべりまくる右京氏。
とにかく、かつての純粋なファンとしては至福の時間。
高校卒業後、レーシングカートの経験もなく
レースを始めたことは良く知られているが、
最初のうちの参戦費用はどうしたのか?聞いてみた。
「ゼロですよ。資金ゼロ。だからプラスにしかならない」
という不思議な理論。
お金をかけてないからプラスにしかならない、ということなんだそうだ。
「筑波サーキットに住込みでメカニックになったから通勤代かからない。
タイヤは他のドライバーが捨てるのを貰って使ってたし。
練習も筑波サーキットでしてたし。
泊まるところがなければ荷台でシートにくるまって寝たし。
そういうのがぜんぜんツラクなかったんだよね。
クルマ好きだし、レース好きだし。
それでレースに勝って賞金、チャンピオンになって賞金貰って。」
「F3000に乗れるようになったら契約金貰えるようになって、
ヨーロッパのF3では騙されて大金とられちゃったけど(笑)
F1に乗れるようになって億単位で契約金貰えるようになった時は
『ザマ〜ミロ!』って思ったけど、
それじゃな満足できなかったんだな。
お金持ちになりたかったわけじゃないから、
肥え太ったブタになっても幸せじゃないよね。」
地位でもお金でも財産でもなく、
ひたすら挑戦し続ける片山右京。
長くなったので、続きは次ぎのエントリーで。。。
つづく。
タルイ工房