::Super Aguri F1 Team の軌跡

2008年5月6日、ゴールデンウィークの最終日、祝日の東京青山表参道、某所にて緊急記者会見が行われ、チーム代表鈴木亜久里(Aguri Suzuki)によってSuper Aguri F1 Team の活動終了が発表された。
これによりスーパーアグリの2年半という短くて濃密な活動に終止符がうたれた。

スーパーアグリは日本国内の住所から登録申請された初めてのF1チーム。
ホンダF1もトヨタF1も欧州の現地法人が申請している。
チーム代表は鈴木亜久里、エースドライバー佐藤琢磨(Takuma Sato)
エンジンはホンダ(Honda)、タイヤはブリヂストン(BRIDGESTONE)、
日本国籍のチームであり、あまりにも規模が小さいことから、ファンにとって自分たちのチーム、おらがチームと思える親近感のあるF1チームだ。
鈴鹿、富士の日本グランプリの現地に行って感じたのだが、日本国内において、とにかく圧倒的に人気がある。
佐藤琢磨選手に関しては英国F3時代から描き続けているし、スーパーアグリは03年IRL IndyCarシリーズ参戦から毎年イラストポストカードを作らせていただいてきたご縁があり、スーパーアグリF1のマシンも06年07年の2年間で10点の作品を描いてきた。
(08年のマシンの絵はこれから描くつもり)
イラストでスーパーアグリの2年半を振り返ってみたいと思う。
タルイ工房
2005年10月、日本グランプリ直前恒例のHonda F1記者会見に行った。
そこで「ホンダがBARの株を買収して来期よりオールホンダチームになる」ということと合わせて驚くべき事実が公表された。
「11番目のチームができる」
「ホンダがエンジンを供給する予定」
「ドライバーの候補に佐藤琢磨の名前が挙がっている」
殆どのジャーナリストが事前に聞いていない寝耳に水の情報に会場はどよめいた。
前戦ブラジルGPでバトンの残留、バリチェロの加入が正式にアナウンスされ佐藤琢磨のチーム離脱が決定的となっていた。
琢磨はどうなるのか?どこへいくのか? 注目されていた時なので、ファンも「ホンダは琢磨を見捨てなかった!」と大きな喜びにつつまれた。
(後から知ったのだが、この時、別の2つのチームと交渉中だったらしい。一つは某名門チーム、もう一つはオファーを公表していたミッドランド。あくまで結果論だが、この時ホンダ陣営を去っていたほうが琢磨自身にとっては良かったのかもしれない。
でも、もしそうなっていたら我々はスーパーアグリという愛すべき希有なチームと出会うことはできなかった。)
とにかく、11番目のチームとは、既存のチームを買収するのではなく新規参入するチーム。いったい何処の誰が興すチームなのだろう? F1チームを作るのは簡単なことではないことぐらい誰でも知っている。大きなプロジェクトが動いているはずなのに情報が殆どない。日本グランプリの鈴鹿ではその話題でもちきりだった。
どうやらシャシーもエンジンも日本製の純国産チームらしい、という噂がながれ、マシンが作れるとしたら国内なら童夢? だが、童夢に勤める友人が「ウチは絶対にあり得ない」と笑って否定。
日本グランプリが終ってしばらく経った11月1日、青山ホンダ本社のウェルカムプラザで急きょ記者社会見が行われるというので行ってみた。
ホンダ広報部に何の会見ですか?と聞いてみたのだが「亜久里さんが会見するので場所を提供しただけです。発表の内容はわかりません」とのこと。
壇上には鈴木亜久里氏ひとり。
11番目のチームを興すのは亜久里だった。。。
チーム名は「スーパーアグリF1」
しかし、その後もなかなかチームの全貌が伝わってこない。
メインスポンサーは?ドライバーは?
申請は受理されるのか?供託金が間に合うのか?
全貌がわからないうちに年を越した。
なによりも、マシンは間に合うの?
2006年2月、バルセロナテストにマシンが姿を表した。03年型のアロウズのマシンを突貫工事で改造した真っ白なマシン。スーパーアグリの船出。

Super Aguri SA05 Barcelona Test
開幕直前の3月4日、都内六本木で大々的にチームお披露目の会見。
続いて青山で、チームパートナーのサマンサタバサ、メンズブランド立ち上げの発表会。

無事開幕戦のグリッドにマシンが並んだ。
ドライバーは佐藤琢磨、井出有治。

Super Aguri SA05
SA05はSA06が登場するまでの暫定マシン。充分なテストも行われてないので、完走できただけでも素晴らしかった。しかも限られた予算はSA06開発に充てたいので、SA05に資金をあまりかけたくないとのこと。だから当然テールエンダー。とにかくSA06の登場が待ち遠しかった。

琢磨の相方は井出からフランクモンタニー、山本左近と交代。
そしていよいよSA06が登場。

Super Aguri SA06 at 鈴鹿
日本グランプリの鈴鹿には日本チームのスーパーアグリの登場と皇帝ミハエルシューマッハの引退発表もあり空前の16万人超が詰め掛けた。もちろんスーパーアグリグッズやTSグッズで身を固めたファンが圧倒的に多かった。
最終戦ブラジルGPで琢磨のSA06は地力で10位フィニッシュ。翌年に期待を膨らませた。
2007年、ドライバーは佐藤琢磨とアンソニーデビットソン。
スペインGP、チーム結成2年目でついにポイントゲット!
(まさか翌年のスペインGPがスーパーアグリのラストランになるなんて。。。)
Super Aguri SA07カナダGPでは前年王者でマクラーレンのアロンソを見事オーバーテイク!
世界中のF1ファン、関係者を驚かせた。
Super Aguri SA07 at CANADA GPしかしスポンサーでありパートナーでもあったSS UNITEDの契約不履行があり、たちまち資金難、夏場からマシン開発ができなくなり、SA07は徐々に確実に戦闘力を失っていった。
07年シーズン終了、08年シーズン開幕が迫っても、関係者の努力の甲斐なく、資金難は解決できず、オフのテストには殆ど参加できず。
08年開幕直前、マグマグループとの買収交渉が概ね合意に至ったということで、滑り込みで開幕戦にエントリー。ぶっつけ本番のSA08だったが開幕戦グリッドに着くことができた。
マグマとの正式契約が済むまで、マシンの開発は凍結、最低限のパーツでレースに出場する琢磨とアンソニー。チームもドライバーも関係者もファンもメディアも、ひたすら正式契約締結を待っていた。でもスペインGPの前週、何故かマグマ側から一方的に契約交渉は破棄された。
スペインGP開幕前日まで交渉が続けられたが再び交渉は打ち切られた。
急遽スペインGPにはホンダの資金援助で参戦。これがスーパーアグリF1のラストラントなった。
亜久里さん、秋田さん、チーム関係者の皆さん、お疲れさまでした。
素晴らしいチーム、ありがとうございました。
今はただ、2人のドライバーが早くF1フィールドに戻れるようひたすら願うばかり。
佐藤琢磨 BackupProject 始動!
http://www.taku-style.com/
タルイ工房

コメント
わずか2年半とはいえ、本当にドラマチックな軌跡でしたね・・・
奇跡の参戦から翌年の大活躍、そして撤退・・・
日本のいや世界中のF1ファンから愛された小さなチーム、後々、語り継がれるような素晴らしいチームでした!
ホントありがとう!ですね!(^^)v
Posted by みのやま at 2008.05.14 15:58 | edit
コメント
世界的にもずいぶんファンがいるそうですね。
2年ちょっとですが、自分らのチームと思える存在があったのは楽しかったですよね。
Posted by tarui at 2008.05.15 12:02 | edit